パーマ時の混合ジスルフィドについて

混合ジスルフィドというのは、髪の毛を構成するシステインの-Sとパーマ剤のチオが持っている-SとがS-S結合を作ってしまい、髪にチオが結合した形で残留することをいいます。

パーマ1剤は髪の毛に塗布すると、S-S結合を切断する作業と切れた-S同士をつなげてS-S結合に戻すことの両方を並行して行っています。

1剤はS-Sを切り続けるのではなく、切りながら戻す、切りながら戻す繰り返し作業を行っています。

アルカリの条件下では、切るほうが着くスピードが速いので、S-Sが切れるという結果になります。

でも、20分ほどでオーバータイム時に入ると、1剤はS-S結合を切断する能力(軟化)が極端に低下してしまうのに対し、S-S結合に戻す能力だけが残ります。したがって、オーバータイム時間に入ると、髪の中では髪の-Sと残留しているチオの-Sとが結合を始めます。このように髪の中にチオなどの還元剤が残留してしまいます。2剤も切れたところを貼り戻しますので、2剤を塗布したときにチオが髪に残留していると、同様に髪の-Sとチオの-Sとが再結合して、混合ジスルフィドが形成されてしまいます。混合という言葉は髪のSと還元剤のSが結合してしまったという表現ですね。

このようなパーマを行ってしまいますと、ウエーブのもちだけでなく、髪のダメージも進めてしまうことになります。お客さんが家でシャンプーをするときにチオ臭がするということは、残留しているチオができたウエーブをまた切るということですね。

混合ジスルフィドをできるだけ作らないようにするには、パーマ軟化を20分以内で完了する。そのためには浸透促進などを利用することです。中間水洗はしっかりと行うことです。